似て非なるもの、SSDとeMMCの違い
公開日:
:
最終更新日:2019/12/02
PC導入・買い替え
「格安 ノートパソコン」等と検索すると、最近では2万円台の商品がずらっと並ぶ事も珍しくありません。
そんな格安パソコンのストレージを見てみると、「eMMC 32GB」となっているものがほとんどです。
「とりあえず使ってみて、足りなかったらSSDに交換しよう」と考えている方には注意が必要です。
今回は、SSDとeMMCについてご紹介します。
SSDとeMMCの違い
SSD(エスエスディー)とeMMC(イーエムエムシー)はどちらもフラッシュメモリーを利用したストレージ(主記憶装置 補助記憶装置)です。
SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)、 eMMCはembedded Multi Media Card(エンベディッド マルチ メディア カード)の略称になります。
SSDは128GBや256GBの容量のものが多く、eMMCは32GBのものが多いので、「容量の違いなのかな?」程度に考えていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし両者には大きな違いがあります。
SSDと表記されているものは原則的に、従来のHDD(ハードディスクドライブ)と同様で後からの交換が可能であるのに対して、eMMCはマザーボードに直接、半田で取り付けられていて交換する事が出来ません。
embedded Multi Media Cardという名の通り、「組み込み用」のマルチメディアカードという事になります。
MMCと言うのは、現在主流のメモリーカードであるSDカードの前身の規格です。
筆者がかつて使用していたNokiaの携帯電話がMMC対応でした。
そのMMCが現在ではカードの形ではなく、組み込み式のフラッシュメモリーとなっている訳です。
データ転送速度はSSDの方が速いですが、eMMCでもHDDよりは速いのでフラッシュメモリーの恩恵を受ける事が出来ます。
格安ノートパソコン、タブレット
格安ノートブック、タブレットとして売られている製品のほとんどが、メモリー2GB、eMMC32GBというスペックになっています。
メモリー2GBというのはWindows 10を動作させるのにはギリギリの容量です。
ストレージ32GBという容量も、気を付けなければアップデートもままならない程、すぐに使い切ってしまいます。
ストレージと同様にメモリーも増設出来ない可能性が高いので、安さだけにつられず自分の使い方をしっかりと見極める必要があります。
ストレージ確保の方法
写真や音楽等の大きなデータはクラウドストレージを使えば良いと考えると思います。
確かにその通りですが、設定によっては元のデータが残ったり、自動で同期してダウンロードしてしまったりするので、注意が必要です。
またデータはクラウドに逃がす事が出来ても、アプリケーションはそうはいきません。
そこでストレージを増やす方法としてSDカードを活用すると良いでしょう。
ただし、そのまま挿しただけではアプリケーションのインストール先には出来ませんので、HDDのように使用する為の設定などが必要になります。
「SDカード 固定ドライブ」「SDカード HDD化」の様に検索をすると、色々と情報が出てくると思います。少し手間はかかりますが、あまっているSDカードがあれば気軽に試す事が出来るので、メリットは大きいでしょう。
SDカードスロットを占領してしまうので、その点は注意が必要です。
また、USBフラッシュメモリーを使っても同様の事が可能ですが、汎用性の高いUSBポートを使ってしまうよりは、SDカードの方が良いと思います。
格安ノートパソコンは往々にしてUSBポートの数も少ない事が多いので、自分の使い方でよりベターな方を選択してください。
まとめ
似ている様で大きく違うのが、SSDとeMMCでした。
SSDモデルの方が拡張性は高いですが、工夫次第でeMMCモデルでも「使える」と思います。
もちろん中古パソコンも選択肢に加えれば、同じ予算でHDDモデルもSSDモデルも選べる可能性がありますので一考の価値はあると思います。
ただしバッテリーの持ちは新品にゆずる所があるので、電源の無い場所で使うことが多いのであれば、新品格安ノートパソコンに一日の長があるでしょう。
ストレージが「eMMC」のモデルは交換、増設が出来ないと言う事は、パソコン選びの際に覚えておきましょう。
担当:鬼山
関連記事
-
パソコンって何で動くの?構成部品の種類と機能を解説
パソコンの構造や部品に興味が無いという人も多いと思いますが、基本的な知識や仕組
-
パソコン用モニターを選ぶ際に見るべきポイント
みなさんは、今お使いの液晶画面に満足していらっしゃるでしょうか? 突然そんな事を言われ
-
パソコン用液晶モニターの種類と特徴
パソコン用のモニターがブラウン管から液晶ディスプレイに変わり始めたのはほんの1
-
MacでOffice系アプリケーションを使うための方法
パソコンと言えばマイクロソフトのWindowsが一般的ですが、最近では
-
サポート終了後にWindowsXPを継続利用してはいけない理由
2001年に発売されたWindowsXPは、Windowsの中でもっとも評価が高いOSとして
-
どっちが良い?PC購入時のHDDとSSDの違いと選び方
パソコンにデータを保存する記録装置と言えば「HDD」(ハードディスクドライブ)が一般的で
-
そろそろ新しいOS X、El Capitanへアップデートしてみよう
9月30日にMacの新しいOSである、OS X El Capitan(オーエス テン エル
-
スティック型PCの選び方
スティック型PCやスティックPCと呼ばれる、超小型のパソコンが初めに販売されたのは2014年12
-
無料で使えるMicrosoft Office互換ソフトウェア「OpenOffice」
ビジネスにおいて事実上必須となっているMicrosoft Officeですが、
-
企業にぴったりなのはやっぱり法人向けパソコンだった
普段は何気なく、会社でも自宅でも、パソコンを使用していると思いますが、パソコンには大きくわけ
Comment
「フラッシュメモリーを利用したストレージ(主記憶装置)です。」とありますが、(補助記憶装置)のお間違いではないでしょうか。
にゃがお様
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、主記憶装置ではなく、「補助記憶装置」の間違いです。
お詫びして訂正いたします。
主記憶装置 → メインメモリー
補助記憶装置 → HDDやSSD等
ですね。
誤った情報を掲載してしまい、申し訳ありませんでした。
ご指摘、ありがとうございました。
[…] eMMcのパソコンの容量を増やすには […]