実は違うEPSONとcanon、インクジェットプリンターの仕組み
公開日:
:
最終更新日:2020/02/25
OA機器
オフィスでは、レーザープリンターを使用するのが一般的ですが、家庭では圧倒的にインクジェットプリンターを使用していると思います。
家庭用インクジェットプリンターの2大メーカーといえばEPSON(エプソン)とcanon(キヤノン)ですが、実はひとくちにインクジェットプリンターといっても印刷の仕組みは2社で異なっています。
今回は普段は意識する事の無い、インクジェットプリンターの仕組みに迫ります。
EPSONの採用するピエゾ方式
EPSONの販売するインクジェットプリンターではインクを噴射する仕組みに、ピエゾ方式が採用されています。
(http://www.epson.jp/technology/topics/201306_3.htm)
ピエゾ方式で使用される、ピエゾ素子(圧電素子)は、電圧を加えると収縮する性質をもっていて、この性質を利用してインクを噴射しています。
この方式の特徴は後述するサーマル方式と違い、熱を利用しないので、使用するインクの自由度が高いということと、耐久性に優れていることが挙げられます。
EPSONではこれを「マイクロピエゾテクノロジー」と呼んでいて、実際に染料系のインクだけでなく、顔料系や溶剤系のインクを使用したプリンターを展開しています。
canonの採用するサーマル方式
対するcanonのインクジェットプリンターではサーマル方式を採用しています。
(http://web.canon.jp/technology/now/output/ijp.html)
サーマル方式とは、インクを加熱して気泡を発生させて、その力でインクを噴射する方式です。
気泡が出来る事から、canonでは「バブルジェット」と呼んでいます。
特徴はヘッド構造を比較的単純にする事が出来るので、高速化や高密度化を図りやすいというところにあります。
どちらが良いのか?
方式こそは違いますが、2社とも速く、美しく印刷する為に研究開発をしてきていますので、印刷結果だけを見て、どちらの方式か判別する事は難しいでしょう。
純正の交換インクを使用していく上では、ピエゾ方式の特徴であるインクの自由度というのも、メリットにはならないでしょうから、実用上はどちらの方式を使用していても困る事は少ないと思います。
また、一般的には染料系のインクは写真向き、顔料系のインクは文字向きと言われていますが、EPSON、canon両社とも、プロ向けの写真用プリンターフラッグシップ機には顔料系のインクを採用しています。
顔料系のインクは黒や、暗部の表現に優れているので、その様な選択になっているのでしょう。
まとめ
EPSONのピエゾ方式、canonのサーマル方式、それぞれにメリット、デメリットはありますが、使用する上ではほとんど意識する事は無いでしょう。
ひと昔前であれば、モデルによって印刷速度や印刷結果に違いが見られましたが、今ではあまり変わらなくなっている様に感じます。
店頭で見比べてみて、気に入ったものを購入すれば良いでしょう。
また、どちらの方式であっても、インクの目詰まりを防止する為には、1年に1回、年賀状の印刷だけではなく、たまに電源を入れて、印刷をする様にしましょう。
やはり、機械は使わない事が一番の故障の原因になります。
担当:鬼山
関連記事
-
-
アスペクト比1:1の液晶ディスプレイの使い道
かつて、一般的なアスペクト比は4:3でした。最近では16:9のワイド画面が多くなってきていま
-
-
徹底解説!ブロードバンドルータ ーを買う時の5つのポイント
今回のテーマは、インターネットを便利かつ安全に使うことのできるパソコン周辺機器、ブロードバン
-
-
オフィスの端に放置されたOA機器を一掃するチャンス!1都3県でOA機器を0円回収いたします!
いよいよ今年も残すところわずかとなりました。 この1年の間に、オフ
-
-
USBハブ付きのおすすめ製品の紹介
パソコンを使用する上で何かと出てくるUSB機器ですが、近年では様々なUSB機器の登場や充電利
-
-
ファックスを自動でデータ化して社内で共有しよう
電子メールが普及し、一般家庭ではその役目を終えた感のあるFAX(ファックス)ですが、まだまだ、業
-
-
知らなきゃ損!?あると便利なおススメ周辺機器
「一家に一台」から「一人に一台」へと市民権を得たパソコンですが、持っているからに
-
-
中小企業におけるネットワーク保守・管理4つのポイント
今やパソコンを使う上で、インターネット接続は切っても切れない関係になっています。 それ
-
-
ノートパソコンでの作業が”至極”快適になる外付けキーボード
持ち運ぶことが多いという理由から、小型で軽いノートパソコンを購入する人も多いのではないでしょ
-
-
パソコンに差したUSBメモリー等の取り外し方法③
これまでUSBメモリーの安全な取り外し方についてご紹介してきました。 前回は設定画面から操作する
-
-
MacとWindowsでファイル共有する方法
仕事で使用するパソコンはWindowsだけ、あるいはMac(OS)だけという環境が多いと思い