スティック型PCの選び方
公開日:
:
最終更新日:2023/07/13
PC導入・買い替え
スティック型PCやスティックPCと呼ばれる、超小型のパソコンが初めに販売されたのは2014年12月の事です。
初期の頃は使っている内に本体が熱くなって、動作が遅くなる等のトラブルもありましたが、2年が経過してスティック型PCの状況はどの様になってきているのでしょうか。
今回は小さくて持ち運びが出来るパソコン、スティック型PCをご紹介します。
スティック型PCとは?
スティック型PCとは、USBメモリーを一回り大きくしたくらいの非常に小さいパソコンです。
端子部分がHDMIとなっており、直接テレビや液晶ディスプレイのHDMIポートに挿し込んで使用します。
OSはCromecast(クロームキャスト)の様なAndroidのものや、Fire TV Stick(ファイアー ティービー スティック)の様な専用OSのものもありますが、基本的にはWindows 10を搭載したものをスティック型PCと呼ぶ事が多いです。
リビングの大画面テレビで、インターネットに接続して動画を観たり、メールチェック等の簡単な事務仕事が出来るのが魅力です。
また、HDMIを備えたディスプレイさえあれば、いつでも自分のデスクトップ環境を持ち運ぶ事が出来ます。
主なモデル
現在販売されているスティック型PCの主なモデルは
・インテル「Compute Stick STK1AW32SC」
実売1万8000円前後(税込み)
・マウスコンピューター「m-Stickシリーズ MS-CH01F」
直販価格2万1800円(税込み)
・ドスパラ「Diginnos Stick DG-STK4S」
直販価格1万9980円(税別)
といったところになります。スティック型PCのスペックは基本的に同じで、CPUは「Atom x5-Z8300(1.44GHz)」、メモリーは2GB(Diginnosのみ4GB)、ストレージは32GB(eMMC)を搭載しています。
インターフェースはHDMI端子×1、USB3.0端子×1、USB2.0端子×1、マイクロSDカードスロット(SDXC)×1、マイクロUSB端子×1(給電用)となります。
ネットワーク機能は無線LANのIEEE 802.11a/b/g/n/acと、Bluetooth 4.0以降(主にキーボード、マウスに使用)をサポートしています。
正直なところ、通常のパソコンと比べてしまうと非力なので、出来る作業には限界があります。
どの様に使用するか、イメージをしっかり固めておかないと、買ってみて、少し使ってみたらその後は放置となってしまうかもしれません。
インテル「Compute Stick STK2MV64CC」の様に、CPUにCore Mを搭載して、処理能力を上げたモデルもありますが、価格帯が上がってしまうので、「低価格でお手軽」というメリットは薄れてしまいます。
場合によっては、中古のモバイルノートパソコンを購入した方が、実用性がある事も多いと思いますので、しっかり検討しましょう。
小型ディスプレイは?
せっかく本体が超小型なので、小型ディスプレイや小型キーボードと組み合わせて、省スペースパソコンを実現してみるのはどうでしょう。
そう思ってHDMI入力が可能なディスプレイを調べてみましたが、「On-Lap 2501A SE」という商品くらいしか、見つける事が出来ませんでした。価格も2万5000円程度なので、1万円台から見つけられる22インチクラスの液晶ディスプレイと比べると割高感は否めません。
スティック型PCの為に、新たなディスプレイを用意するというよりは、今あるテレビやディスプレイを活かすという方向が、スティック型PCには向いている様です。
キーボード一体型パソコン
スティック型PCではありませんが、同様の商品に「キーボード一体型パソコン」というものがあります。
先程のディスプレイと同じテックウインドから販売されている、「キーボードPC」です。 スティック型PCでも、キーボード、マウスは必要になってきますので、それならいっそ、キーボードと本体を一緒にしてしまおうという商品です。
小さいながらスライドパッドも付いていますので、電源を挿して、ディスプレイに接続するれば使用する事が出来ます。
有線LAN用のポートや、アナログのVGA端子も用意されているので、環境によってはスティック型PCよりも使い勝手が良いでしょう。
サイズは 287mm(幅)×125mm(奥行き)×26.5mm(厚み)という事なので、ちょっと厚めのキーボードという感じです。
残念ながらこちらの商品はCPUが一世代前の「Atom X3735F(1.33GHz)」というモデルになるので処理能力としては、前述のスティック型PCよりも劣ってしまいます。
しかし、2017年1月下旬にキーボードPC IIが販売される予定で、CPUが「 Atom x5-Z8300(1.44GHz)」となり、バッテリーも内蔵されますので、充電されていれば、ケーブル1本で使用出来る事になります。
まとめ
スティック型PCは超小型の本体を活かして、色々な場所でパソコンを使用出来る事が魅力です。
一方、低価格なモデルは性能に不安があり、高性能モデルはそれなりの価格になってしまい、活用出来るシチュエーションが限られてしまう部分も否めません。
それでも、初期の製品と比べて、動作も安定してきている様ですし、「ハマれば」手放せないガジェットになる事は間違いないでしょう。
今回ご紹介した以外にも、多少スペックの違う商品がありますし、排熱ファンが有るモデル、無いモデルの両方がありますので、熱による性能ダウンが気になる方は、ファンがあるモデルを選ぶと良いでしょう。
予算が許せば、なるべくCPUとメモリー容量は上のモデルを選んでおく方が、我慢をしないで済みます。
筆者は来年発売される「キーボードPC II」が気になりました。普段はMac Bookを使用していますが、ちょっとWindowsを使用したい時に、OSと同じくらいの価格で購入出来るのは良いかもしれません。
いずれにしても、一昔前では考えられなかったサイズで、色々な商品が出てくるのは、単純に楽しいですね。
(出展:http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/324/324991/)
担当:鬼山
関連記事
-
acerの新しいWindows 10搭載パソコンはデータ復旧サービス付き
各社から、Windows 10をプリインストールしたパソコンが発売され始
-
Microsoftの次世代Webブラウザーはここが違う!
今年の夏にリリースされるWindows10に搭載される次世代Webブラウザ「Microsof
-
Windows 10にアップグレードするとタッチパッドの一部機能が使えなくなる問題
Windows 10無償アップグレードの期限が過ぎましたが、アップグレードした後、不具合は出
-
2015年、中小企業のIT投資
株式会社アイ・ティ・アールによる「国内IT投資動向調査2015」によると、企業のIT動向は「
-
デュアルディスプレイよりウルトラワイドディスプレイという選択肢
パソコンに液晶ディスプレイを2台繋げるデュアルディスプレイは、パソコン作業において多くのウィ
-
パソコンを新しく購入した時の3つのデータ引越し方法
新しいパソコンを購入する理由は、「もっと快適にパソコンを使いたい」「最新OSを使うにはスペッ
-
CPUのベンチマークでパソコンの性能を知る
パソコンを利用する中で、「ベンチマーク」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか
-
サブ機って何?快適パソコンライフのご紹介
仕事や趣味など生活の一部においてパソコンは欠かせない存在。そんなパソコンライフをより快適に
-
【知っておこう】Windows10のサポート終了とWindows11への買い替え・アップグレードについて解説
この記事を書いている2023年8月現在、多くの方が「Windows10(ウィンドウズテン)
-
WindowsからMacへ簡単にデータ移行しよう
パソコンを新しく購入すると、面倒なのがデータや設定の移行です。 移行アシスタントは、A